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STM32 Primer2のバッテリー交換

前回バッテリーが不調と書きましたが、原因はどうも以下のようです。

Primer2のKnown Issue(既知問題)に「USBケーブルの抜き差しを頻繁に行うとバッテリーが死んでしまう」が上がっています。USBケーブルを挿入するとその都度充電シーケンスが開始されるため、これを短時間に繰り返すとバッテリーが死んでしまうというものです。

実はデバック中に過充電を気にして、充電完了状態になる毎にUSBケーブルを抜き差したため、もろに上記の状態を作ってしまいました。ForumのFAQ(IMPORTANT: How to preserve the STM32 Primer batteries)に「Primerの充電回路は単純であり、バッテリーの保護のために長時間USBケーブルを接続したままにしてはいけない」とあったため、デバック中にUSBケーブルの抜き差しを行っていました。

実は、上記の注意書きは、NiMHバッテリーを使ったPrimer1の話なんですね。単にPrimerとしか書いてないため、Primer2に対する注意書きだと勘違いしていました。よく考えてみると、過充電で発火の危険を伴うLi-Ionバッテリーを使った製品に「簡易充電回路」が認められるわけがなく、Primer2も当然制御ICを使った充電回路を持っています。

バッテリーの交換

ということで、バッテリーを交換しました。バッテリーは860mAhのリチウムイオンポリマー電池をスイッチサイエンスさんから購入。製品添付のバッテリーは容量が400mAhと小さめで、もともと交換を考えていたため、まあよいかというところです。

購入したバッテリーはサイズ的にはぴったりで、元のバッテリーを外して基盤に両面テープで固定しました。

Primer2_Battery_Change

まだ、2回程充電した程度ですが、今のところ問題なく動いています。充電電流は60mA程度で充電回路に負担がかかっているという感じはありません。バッテリー稼働時間はLCDをONにしたままでも余裕で6時間はいけそうでいい感じです。当然充電時間も延びましたが。

2009/10/25追記:
STM32 Primer2の電源回路とバッテリー駆動時間」で行った測定方法を使用して、12時間動作させてもバッテリーは3.77Vでした。まだ数時間は動きそうですので、十分な駆動時間となりました。

Li-Ionバッテリーの放電下限電圧

過去のブログ記事で、バッテリーのデーターシート上では放電下限電圧が2.75Vなのになぜ3.5Vでshutdownしてしまうのか、3Vあたりまでバッテリーを使えないのかと書きました。携帯電話のバッテリーが1セル・800mAh程度で今回購入したバッテリーと同程度のスペックですので、携帯電話の動作がどうなっているかを調べてみました。結果は以下のとおりです。

バッテリーアラームが出て操作を受け付けなくなるまで放電した状態で電池を取り出し、電圧を測ると3.5Vでした。Primer2のshutdown電圧と同じです。かみさんの携帯で試しても同様でした(どちらも同じキャリアですが、端末メーカーは異なります)。ということは、Li-Ion電池は実質的に3.5V/cellあたりまでしか使ってはいけないということでしょうか。理由としては、以下が考えられそうです。

このWebページにあるLi-Ion電池の放電特性を見ると、3.5Vあたりまではだらだらと電圧が低下しますが、3.5Vから急激に電圧が低下することがわかります。放電電流が少ないほど3.5V境界での落ち込みが激しくなっています。Primer2も放電電流が少ない使い方になるため、電池を3.0Vあたりまで使うとshutdownタイミングの判断が難しく、下手をすると危険領域の2.75Vまであっという間に放電してしまうリスクがありそうです。加えて、3.5Vまで放電した時点で容量の90%以上を使っており、これ以上放電させても稼働時間延長への寄与は少ないと思われます。

この点を考えて3.5Vで打ち止め(shotdown)しているのだと理解した次第です。

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