Parallels DesktopでWindows on Mac
6月に自宅PCをiMacにリプレースし、当初はWinodwsを動かすためにBoot Campを使っていたのですが、Parallelsを使った仮想環境に変更しました。Parallelsの使用は当初考えたのですが、Windowsの起動回数はきっと減ると思っていたため結構お高いParallelsはペイしないと考えて回避していました。ここに至る変遷と試行錯誤を記載します。
我が家におけるWindowsの必要シーン
Mac OSのきびきびした動作ときれいな画面に慣れると、できるだけ多くの作業をMacに移したくなるのですが、我が家の場合、以下のソフト・作業はWindowsベースとなります:
- LPCExpressoのIDEとVisual Studio (主にC#)
- かみさんが使う家計簿ソフト(家計簿マム): Macの家計簿ソフトへの移行も考えましたが、データ移行が難しく(どうしても欠落してしまうデータが発生)断念
- はがき印刷 :年に1回なのでソフトを買い換えるまでもない
- このブログ作成(Windows Live Writerを使用): そのうちMacのソフト(Mars Editあたりかな)に変わるかも
- ゲームはやらない: グラフィック性能は重視しない
あと外せない条件は、かみさんとアカウントを分けてMacを共有するため、Windowsもそれぞれのアカウントから起動できる必要があります。そのため仮想環境を使った場合、仮想ディスクイメージを共有フォルダに置くなどして、複数アカウントで共有できる必要があります。
冒頭に書いたとおり、Windows環境にあまりお金をかけたくなかったため、先ずはフリーのVirtualBoxを使った仮想化を検討しました。グーグルさまで、マルチアカウントにてVMを共有した事例があるかを調べたのですがヒットせず。インストール回数を浪費しないよう、試しにUbuntuを使って共有を実験したのですがうまくいかない感じ(VirtualBoxでのUSBの認識に問題があり、早々に放棄したため突っ込んで調べてはいません)。
頻繁に起動することはないのでBoot Campを使ったデュアルブートに決定。
Boot Camp
アップル純正のデュアルブート環境なので当然ちゃんと動きますが、使ってみると以下の点が不満。
- やっぱり起動が遅い: EFIによるハードの認識や初期化時間がばかにならい
- Mac OSに戻すもの再起動になるため時間がかかる。やっぱり、Mac OSとWindowsの間を行ったり来たりするのでこのオーバーヘッドが無視できない
- Mac用のMouse, Trackpadを使うとなにやら動きがギクシャク。普通のUSBマウスを使った方がスクロールなどが滑らかに動きます。アップルさん、Windows用ドライバ開発でわざと手を抜いてないか?
結局Parallelsに
Boot Campが今一つなので、Parallelsの情報をあさっていると、複数ユーザで仮想環境を共有できることが分かりました。あと、Boot Campパーティションから仮想マシンを起動することもできるため、これまでに構築したWindows環境も有効に使えそうです。試用版があるのでお試しに使ってみることにしました。
1. Boot Campパーティションからの起動
Boot Camp領域を使う仮想マシンを作ると数MB程度の仮想ディスクイメージ(実体はboot campパーティションにあるので、管理情報だけでしょうか)が作られます。仮想マシンを作成する際に「共有」を選択すると、自動的にUsers/Shared配下にファイルを作成し適切なアクセス権を設定してくれるのですが、サブアカからの起動がどうもうまくいかず。ファイルサイズは小さいので各ユーザフォルダー配下に仮想マシンをつくれば複数アカウントでWindowsを起動できました。
これで運用ができるのですが、制約はサスペンドです。Parallelsのサスペンド・復帰は非常に高速で、自分の環境では10秒以下。Windowsの休止だとブートとたいして時間が変わらない印象があるのですが、これなら十分使えます。Boot Campパーティションから起動した場合、サスペンドはできるのですが、別アカウントから復帰を試みると起動に失敗します。この際、ディスクに不整合が発生する可能性があるようなので危険です。
あと、Boot Campを使った仮想マシンからアプリを立ち上げると、アクティベーションを必要とするアプリの場合、再アクティベーションが発生します。どうも、最初にインストールした生のBoot Campと異なる環境で起動されたと思うようです。自分は気がつかなかったのですが、Web情報ではWindowsも再アクティベーションが発生するようで、その場合マイクロソフトは仮想環境は別ライセンスとみなしアクティベーションを許可しないとのこと。
2. Boot Campを仮想ディスクにインポート
サスペンドとライセンスの問題を考えると、結局仮想ディスクにWindows全体をインストールするのが最善です。一からインストールし直すのもきついので、仮想マシンへのインポート機能を使って、Boot Camp領域のファイルを仮想マシン(仮想ディスク)に取り込んでみました。
インポートはうまくいったのですが、ファイルがホームディレクトリ配下にできてしまいました。これではアカウント間で共有ができないため、共有フォルダに移動してアクセス権を変更。Everyoneやstaffに対して読み書きを許可するも、非オーナのアカウントからはアクセス権違反でVMを起動できず。仮想ディスクファイルにはACLを使ったカスタムアクセス権が設定されており、このあたりをあわせこまないとだめなのか。
アクセス権をうまく設定できないため、インポート作戦も結局放棄。
3. 仮想ディスクに再インストール
仕方なく、Boot Campパーティションを削除して1からやり直しです・・ やっと目的の動作を実現。
仮想マシンを共有環境で動かすと、以下の通りなかなか快適で、やっぱりこれがベストです:
- マウス・トラックパッドの動きが滑らか。LionのゲストOSにすれば、3本指ドラッグやナチュラルスクロール(Windowsとタッチの方向が逆になるやつ)など、OS Xネイティブの操作も使えます
- サスペンドと復帰が高速。サスペンドと復帰を別のアカウントで行っても問題なし
- OS XとWindowsを同時に使えるので、両OS間を行ったり来たりする際のオーバーヘッドが殆どない
- Boot CampパーティションからVMを起動する場合に比べて、仮想ディスクだとI/O速度が落ちることを懸念しましたが殆ど気にならないレベル
ということで、Parallels正規ライセンスの購入決定。
4. 使用マシンのスペック
項目 | スペック |
マシン | iMac Mid 2011(27インチ) |
CPU | Core i5 2.7GHz |
メモリ | 12GB |
グラフィックス | Radeon HD 6770M |
仮想化ソフト | Parallels Desktop 6 (6.0.12094) |
ホストOS | OS X 10.7 (Lion) |
ゲストOS | Windows 7 SP1 |
5. Windowsエクスペリエンス値
当初、メモリ4Gで仮想環境を動かしたのですが、さすがにメモリ不足。メモリを8G追加して12Gにしたところパフォーマンスが改善されました。仮想環境は8G以上が必須ですね。Windows 7のエクスペリエンス値を以下に示します。
メモリ4Gで仮想マシンに1G割り当て(CPUコアは2個割り当て)
メモリ 12Gで仮想マシンに2G割り当て(CPUコアは2個割り当て)
メモリ増設でメモリ性能が改善しました。仮想環境を使わずに直接Windowsを起動した場合の値を忘れてしまったのですが、殆ど遜色がないレベルかもです(少なくともMac以前に使っていたCore2 Quad 3.0GHzより上です)。
おわりに
短期間にWindowsを2回もクリーンインストールしたので、しばらくはやりたくないです。SP1より前のインストールメディアだとアップデートが超面倒。後、久々にインストール回数が超過して電話でアクティベーションを依頼するはめになりました(MSさまには夜中の3時過ぎに電話してしまいました)。
今考えると、Boot Campからインポートした仮想ディスクファイルに実行許可ビットを立てればよかったのかも。GUIの設定では実行許可は出てこないので見落としました。後々の手間を考えるともう少し粘るべきだったか・・
色々変遷があり手間もかかりました。Parallelsに関しては、ちとお高いですが価格相応の価値はあり満足です。
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