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Cell SDK 3.0のアップデート

Cell SDK 3.0.0.3 (Fix Pack)を使用したSDKのアップデートを行いましたのでその際の手順を以下に示します。SDKのインストール・アップデートを行っているLinuxはFedora 7です(SDK 3.0の指定バージョンです)。

SDK 3.0.0.3でのアップデート内容

今回のアップデートでは、主に以下のモジュールがアップデートされます。

  • GCC C/C++コンパイラ
  • Fortranコンパイラ
  • GNAT
  • GDB
  • newlib Cライブラリー
  • blas
  • lapark(こちらは新規に追加されたように思います)
  • libmc-rand-devel
  • ppu-mass-devel, spu-mass-devel
  • ドキュメント

アップデートに必要なファイルのダウンロード

newlib Cライブラリーまでの部分は、BSCからダウンロードします

blas以下のパッケージ(科学技術計算ライブラリ関連)は、IBMのサポートサイトからダウンロードします。左記のリンクからFix Central → QS Blade(version = 3.0, platform = linux) を選択してダウンロードに進むと、 CellSDK-3.0.0.3.tarがダウンロードできます。

Cell SDKには、Fedora 7用とRHEL 5.1用が存在しますが、今回のアップデートはRHEL用のようです。上記のtarには以下のファイルが含まれます

  • CellSDK-Updates-RHEL_3.0.0.3.0.iso → 名前からRHEL用のisoイメージ
  • cell-install-3.0.0-3.0.noarch.rpm → インストールスクリプト

最初に、SDK 3.0をインストールした際に使用した/opt/cell/cellsdkスクリプトのupdateオプションではアップデートができませんでした。Fixstarさんのサイトにも、3.0.0.3を直接インストールすることができないという記載があります。

そのため、インストールはrpmコマンドを使用して行います。

CellSDK-Updates-RHEL_3.0.0.3.0.isoを指定して、3.0.0.3のインストールスクリプトをinstallオプションで起動するとコンパイラ類も含めてアップデートパッケージを自動インストールしてくれたのですが、yumレポジトリが中途半端に書き換わってしまい、サンプルソースなどインストール済みのパッケージが一部見えなくなってしまいました(yum list installedで表示がでない)。Fedoraユーザーは手動アップデートが必要と思われます。

コンパイラ類のアップデート

BSCからダウンロードしたrpmファイルをrpmコマンドでインストールします。

# rpm -Uvh ppu-* spu-*

アップデート前後のバージョンは以下の通りです:
 ppu-gcc-4.1.1-57 → ppu-gcc-4.1.1-57.3
 ppu-gcc-c++-4.1.1-57 → ppu-gcc-c++-4.1.1-57.3
 spu-gcc-4.1.1-107 → spu-gcc-4.1.1-107.5
 spu-gcc-c++-4.1.1-107 → spu-gcc-c++-4.1.1-107.5
 spu-gdb-6.6.50-12 → ppu-gdb-6.6.50-29

科学技術計算ライブラリーのアップデート

ダウンロードしたCellSDK-Updates-RHEL_3.0.0.3.0.isoを以下のコマンドでマウントします。

# mount -t iso9660 -o loop  /tmp/CellSDK-Updates-RHEL_3.0.0.3.0.iso  マウントディレクトリ

マウントディレクトリに移動して、アップデートしたいモジュールをrpmコマンドで以下のように更新します。

 # rpm -Uvh libmc*
 # rpm -Uvh ppu-mass* spu-mass*
 # rpm -Uvh lapack*
 # rpm -Uvh blas*

追加パッケージのインストール

/opt/cell/cellsdkスクリプトを使用したSDK 3.0の標準インストールでインストールされなかったオプションパッケージをインストールする方法は以下の通りです。

1) SDK 3.0 isoイメージのマウント

 # /opt/cell/cellsdk --iso isoイメージディレクトリ mount

  • isoイメージディレクトリには、CellSDK-Devel-Fedora_3.0.0.1.0.isoとCellSDK-Extras-Fedora_3.0.0.1.0.isoの両方を格納しておきます

2) インストール済みパッケージのリストを表示

 # opt/cell/cellsdk verify

3) 追加インストールしたいモジュール名を探す。例えば;

 optional  CellPerformanceTools      cell-spu-timing not installed
 yum installコマンドで上記モジュール名を指定してインストール
 # yum install cell-spu-timing

Fedora 8でのSDK 3.0インストール

PC側のCPUを交換した際にHDDも交換したため、PC側にFedora 8+SDK 3.0をインストールしました。SDK 3.0のインストール自体は問題がなかったのですが、Eclipse IDE用のプラグインがうまく動作せず、結局Fedora 7に戻しています。当面はPS3側も含めてFedora 7で行こうと思っています。ちなみに、Fedora 8 + IDEの問題点は以下でした。

  1. Cell SDKのEclipse IDE用プラグインは、Eclipse 3.2とCDT 3.1に依存した作りになっているようです。Fedora 8では、Eclipseは3.3 + CDT 4.0の組み合わせになります。CDT 4.0では新規プロジェクトの作成時に、Cell PPU/SPU executableの選択メニューが出なくなりました
  2. 仕方なく、Fedora 8上にEclipse 3.2をインストールしたのですが、Eclipseがうまく起動してくれませんでした。Java runtimeの問題のようなのですが、SunのJavaに入れ替えてもうまく動作せず

CDT 4.0はコードの補完など機能が向上しているため使ってみたかったのですが残念な結果です。

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コメント

Xserver error が出る件ですが、何回かやっているうちにニコチャンマークでウィンドウの最下が埋め尽くされました。
これはどう見てもウイルスかと思いますが。

BSCからダウンロードする際にくっついてきた可能性が大きいと思います。

最初は消えたりついたりで数分後には消えます。そしてその後何回かエラーの指示の通り startx -1 , -0 を繰り返しているうちに、ぜんぜん表示されなくなり、最後にウィンドウの一番下に左から右へ全部にニコちゃんマークが表示されました。

それにしてもSDKのページでこれでは先が思いやられます。
何とかならないでしょうか。

これで5回目のインストールですが、一向に改善されません。
IBMはこの辺は保証外なので、多分改善策はないと思いますが開発が出来ない状態です。

kinchanさん、コメントありがとうございました。

私は通常PCからsshでリモート接続する形でPS3 Linuxを使っておりまして、SDKのインストール・アップデートも全てリモートの接続のテキストモードで行いました。なにせ、PS3でX-Windowsを動かすとメモリ不足でまともに動きませんので、、

最近X-Windowを起動したことがないため、kinchanさんの問題に対して何かリプライすることが残念ながらできません(最近仕事ではまっており、X-Windows上で検証する時間もなく)。

ちなみにお使いのLinuxはFedora 8 or 9でしょうか? 別記事に書きましたが、Fedora 8が出たてのころにインストールした際はX-Windows(Xserverだと思うのですが)が不安定でした。最近はアップデートされて安定性が向上しているかもしれませんが。

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