PS3にFedora 8をインストール
Fedora 8をインストールしてみました。Fedora 7での問題がどこまで解決できたか楽しみです。
インストール前の作業
ブートローダーを最新版に更新しました。Sonyが配布しているPS3 Linux用AddOnの最新版(2007/10/23日版)に入っているブートローダーをインストールします。インストール方法はここを参照して下さい。
現在使用しているブートローダー(2007/8月版)は、ディスプレー解像度の自動選択機能によって、kbootのプロンプト表示の際に解像度が1080iとなり我が家の液晶TVでは文字が潰れて非常に見づらい状態でした。最新版のブートローダーでは、解像度の自動選択を止めて480p固定で表示するようになったため見やすくなりました。
インストール用のDVD-imageは理研さんのFTPサーバーからゲットしました。
インストール手順
基本的には以前ご紹介したFedora 7のインストール手順と同様です。
PS3のBDドライブにインストール用のDVDを挿入後、XMBから優先起動システムを他システムに変更してkbootを起動し、プロンプトが表示されたら以下のコマンドを入力します。
kboot:linux64 xdriver=fbdev video=720p
インストーラーが起動したらメニューの指示に従って進めます。
- 言語・キーボードの選択で日本語を指定
- パーティションの設定
デフォルトのお任せ設定にしました(LVMを使用したパーティションが設定されます)
「メモリーが不足しているため新しいパーティションを直ちに書き込まなければなりません」という警告が出た場合は、「はい」を選択します - ネットワークの設定
・ホスト名をデフォルトから変更(必要な場合) - タイムゾーンの設定
- ルートパスワードの設定
- インストールパッケージの選択
・ソフト開発」を追加します
・「Additional Fedora Software」という項目は選択しません - インストールの開始
一時間以上かかりますが辛抱強く待ちます
インストール後のチューニング
PS3はメモリー量が少ないのがLinuxを動かす上での弱点ですので、少しでも空きメモリーを確保するために以下のチューニングを行っています。
- 不要なプロセスを止める
Linuxインストール後のカスタマイズでいつもお世話になっているwebサイトの情報を参考に、不要になプロセスを停止しました。
SE Linuxも無効にして関連プロセスを停止しています。 - IPv6を無効にする
IPv6を使用しているサイトは殆んどいないこと(当然私のインターネットアクセス環境もIPv4のみ)、IPv6のドライバーを無効にすることで多少メモリー使用量を減らすことができるため、以下の手順でIPv6を無効にしました。
1) /etc/sysconfig/networkに以下の設定行を追加
NETWORKING_IPV6=no
2) /etc/modprobe.confに以下の設定行を追加
alias net-pf-10 off
alias ipv6 off
解決した問題点
- shutdonw/rebootが途中で停止する
- 起動時にLVMボリュームを認識できない
- ps3-boot-game-os実行後のrobootでkbootが立ち上がってしまう(電源off後の次回起動でXMBが立ち上がる)
未解決・新たな問題
- X-Windowが不安定
ログイン画面(GDM)からログインした際に、X-Windowが落ちてログイン画面に戻ってしまうことが数回ありました - GNOME Desktopが不安定
GNOME Desktopにログイン後、メニューバーをクリックしても反応しないことがかなりの確率で発生 - BD-ROMドライブにCD/DVDを挿入した際に、GNOME Desktopにてメディアを自動的にマウントしてくれない(USBメモリーは自動マウントできる)
- 音量調整アプレットが動作しない
問題2は深刻で、発生するとログアウトもできません。そのため、デスクトップ環境は使用に耐えない状況です。もともと、デスクトップ環境はメモリー不足で快適と言えないため、PCからのリモート接続主体で使用しながらアップデート待ちといったところです。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
先ほどYDL6.0(SDK3.0インストール済みという触れ込みなのでこれを選択しました)のインストールが終わりました。Fixstarsさんのサイトに記述してるミラーからisoイメージをダウンロードしてDVDに焼き、インストール手順を参考にして見ましたが、ADDONは不要でしたw(ブートローダ自体もDVDの中にありました)。
結果的にDVDだけでインストール可能で、日本語でインストールできました。kboot:のプロンプトでinstall_ps3_1080pと入力してインストールしました(ここら辺が変っているようです)。モニターが1680x1050なので、最初は表示がおかしかったのですが(全体に右下にずれて画面のはしが隠れてしまう)、開発元のterrasoftのサイトをいろいろ調べて/boot/etc/yaboot.confの中の最後の行video=ps3fb:mode:5の5(1080p)を11(WXGA)にしたところ、解像度は1280x768に落ちましたけれど、全画面で表示できるようになりました。今日はここまでです(これから自転車のパンク修理)。こちらのサイトの情報を参考にデバッグ環境を作ってゆきたいと思います。
投稿: satow | 2008年3月22日 (土) 12時22分
YDL6.0はSDK3.0が入っているのですね。これは便利です。PS3 Linuxを再インストールする機会があったら私も試してみます。
投稿: Todotani | 2008年3月22日 (土) 14時00分
その後の報告です。どうにも上手く行かず困っています。
単純な実行は「Libxxxがない」とかいう文句も言わずすんなり動くのですが、
デバッグしようとすると、
* Started Cell application on target.
Failed: ターゲット選択に失敗しました。
192.168.0.2:10012: No route to host.
と言われて失敗します。実行後ファイルをCleanUpしない設定にして確認すると、実行ファイルも、元データもテンポラリーディレクトリにコピーされています。
投稿: satow | 2008年3月31日 (月) 20時40分
satowさん
問題は、Intel PC上のEclipse IDEでコンパイルしたコードをIDEからRemoteのCell Boxでデバッグできないことだと理解しました。
PS3側でfirewall(FW)が有効になっていないでしょうか。
/etc/sysconfig/iptablesが存在する場合、FWが動作しています。私は常にFW=OFFで使用していたのですが、FW=ONにしたところ、「No route to host.」と表示され同様の動作となりました。
一度、firewallを無効にして確認されてはと思います。
投稿: Todotani | 2008年4月 1日 (火) 23時31分
ご返答ありがとうございます。この数日ばたばたしていて余りPS3に触れていません。次の土曜・日曜には、何かしら良い結果が得られるよう努力してみます。しばしお待ちください。
それにしても、Cell開発環境に関しては情報が少なすぎて困りますね。私はLinuxさえ殆ど初心者なので戸惑うことが多いです。TerraSoftのフォーラムも今日覗いて見ましたが、開発環境に関する情報は少ないようです。
投稿: satow | 2008年4月 2日 (水) 20時21分
すっかり遅くなってしまいましたが、実験しました。
結論から言うと、Todotani さんの言われるとおりFireWallをオフにすると、正常にブレークポイントで停止しました(とりあえず、PPU側だけ確認しました)。ありがとうございます。
実は、インストールするときに余計なものをインストールしたのではないかと疑い、再インストール。再インストールしたらSSHでログインできない(.shhフォルダのknown_hosts内のエントリ削除でログインできるようになりましたが)などあって、時間が掛かりました。
追加情報:YDL6.0をデフォルトの状態でインストールするとppu-gdbserverがインストールされないようです(Eclipseでデッバッグしようとすると、ppu-gdbserverが見つからないと言われてしまいます。これも今回再インストール->実験で時間が掛かった点です)。
「ソフトウェアの追加/削除」の一覧からppu-gdbを探してインストールするとEclipseから利用できるようになります。
投稿: satow | 2008年4月 5日 (土) 16時35分
言語設定で先にすすめません どうしたらいいのでしょうか?
投稿: ばすったー | 2008年5月 3日 (土) 16時25分
ばすったー さん、
詳細が分からないため何とも言えないですが、
video=720pを指定して高解像度モードで起動されているでしょうか。画面モードが480pの場合、[次へ]などのボタンが画面の範囲外になり表示されず、操作ができませんでした。
投稿: Todotani | 2008年5月 4日 (日) 00時04分
Todotaniさんがおっしゃってることがそのまま自分に起こっています。
720pに指定すると画面が暗くなり写らず、480pにすると映りますが画面の範囲外にボタンが・・・
高解像度モードに出来ないのはテレビが悪いのでしょうか?
インストールしようとしているのは Fedora 8です。
投稿: ぽい | 2008年5月 9日 (金) 01時49分
すいません
このサイト様にHDディスプレイが必要と書いてましたね・・・
見逃してすいません。。。
無視してください。。。
投稿: ぽい | 2008年5月 9日 (金) 02時01分
私もCellプログラミングに興味を持っており,
いつも大変興味深く拝見しております.
私もSDKのインストールについて悩んでいることがあります.
基本的なSDKはインストールがうまくいったのですが,
Extrasの方はうまくインストールできていないことに気がつきました.
(モンテカルロシミュレーションのライブラリを使用しようと
yum install libmc-rand-devel.3.0-1.ppc.rpmしてもインストールできなかった.)
インストール時にCellSDK-Extras-Fedora_3.0.0.1.0.isoもダウンロードしていました.
このExtrasの方もインストールするにはどうしたらよいのでしょうか?
もしなにかアドバイスがありましたら,よろしくお願いいたします。
投稿: たけ | 2008年5月31日 (土) 23時11分
たけさん。コメントありがとうございます。
libmc-rand-develですが、Fedora 7環境では以下の手順でインストールできました。たけさんは、ひょっとしてFedora 8をご利用でしょうか?
1)ダウンロードしたisoイメージをマウント
/opt/cell/cellsdk --iso "isoイメージを格納したディレクトリ" mount
CellSDK-Devel-Fedora_3.0.0.1.0.iso, CellSDK-Extras-Fedora_3.0.0.1.0.iso双方を同一ディレクトリ格納しています。
2)mountコマンドを実行して、isoイメージがマウントされていることを確認。例えば以下のようになります。
# mount
/tmp/cell/SDK30/CellSDK-Devel-Fedora_3.0.0.1.0.iso on /tmp/sdk/CellSDK-Devel-Fedora_3.0.0.1.0 type iso9660 (rw,loop=/dev/loop0)
/tmp/cell/SDK30/CellSDK-Extras-Fedora_3.0.0.1.0.iso on /tmp/sdk/CellSDK-Extras-Fedora_3.0.0.1.0 type iso9660 (rw,loop=/dev/loop1)
3)yum install libmc-rand-devel にてインストール
4)サンプルソースのビルド
/opt/cell/sdk/prototype/src/examples/monte-carlo
にソースが展開されました。
Makefileの55行目を以下のように修正することでビルドができました。
include ../../../../buildutils/make.footer
→ '../'を一つ削除
Fedora8だとうまくいかないのかもしれません。
現在fix pack 3 (v3.0.0.3) がIBMから公開されており、fix pakc3ではlibmc-rand-devel - 3.0-4からlibmc-rand-devel - 3.0-5への更新が行われています。
fix packのインストールは別途投稿したいと思います。
投稿: Todotani | 2008年6月 1日 (日) 12時07分
Todotaniさん。
丁寧にアドバイス頂きありがとうございます。
OSはFedora8です。
(大事なとこ書かなくてすいません)
アドバイスのようにisoイメージをマウントして
yum installして見ましたが,やはりインストールされませんでした。
ちなみにエラーメッセージは以下のようになります。
[root@localhost kikuchi]# yum install libmc-rand-devel
CellSDK-Extras-Fedora-x86 100% |=========================| 1.1 kB 00:00
file:///tmp/sdk/CellSDK-Open-Fedora/x86/repodata/repomd.xml: [Errno 5] OSError: [Errno 2] そのようなファイルやディレクトリはありません: '/tmp/sdk/CellSDK-Open-Fedora/x86/repodata/repomd.xml'
Trying other mirror.
CellSDK-Open-Fedora-x86 100% |=========================| 1.1 kB 00:00
CellSDK-Devel-Fedora-x86 100% |=========================| 1.1 kB 00:00
Excluding Packages in global exclude list
Finished
Setting up Install Process
Parsing package install arguments
No package libmc-rand-devel available.
Nothing to do
やはりFedora8ではインストールできないのでしょうかね
libmc-rand-develのソースを探したりしましたが見つかりませんでした.
(このCellのモンテカルロシミュレーションライブラリの情報も少ないです。)
Fedora7にインストールし直さないとインストールできないのでしょうか?
それともFedora8のままでyum関係のファイルを修正すればインストールできるものなのでしょうか?
お手数ですが,なにかアドバイスを頂けると助かります.
長文で申し訳ありません.
投稿: たけ | 2008年6月 1日 (日) 18時56分
たけさん、どうもうまくいかないようですね、、
yumの動作には精通していないのですが、エラーメッセージから、yumのレポジトリがうまく読めていないような気がします。
cellsdk --iso [ ] mount を実行した後、次のディレクトリに移動してみてください。
# cd /tmp/sdk/CellSDK-Extras-Fedora_3.0.0.1.0/rpms
# ls -la libmc*
libmc-rand-devel-3.0-4.ppc.rpmが見つかったら、こいつを rpm -ivhで直接インストールできないでしょうか。
ファイルが見えない場合は、isoイメージのマウントがうまくできていません。その場合以下の手動マウントを試して下さい。
# /opt/cell/cellsdk unmount → cellsdkスクリプトが作ったゴミを消す
# mount -t iso9660 -o loop /tmp/CellSDK-Extras-Fedora_3.0.0.1.0.iso /マウントディレクトリ/
/マウントディレクトリ/rpmsに移動してファイルを見つけらたら、rpmで手動インストール。
投稿: Todotani | 2008年6月 1日 (日) 19時32分
Todotaniさん。
>libmc-rand-devel-3.0-4.ppc.rpmが見つかったら、こいつを rpm -ivhで直接インストールできないでしょうか。
できました!
(yum list installedで確認しました.)
さっそくsampleプログラムを試してみたいと思います。
本当に丁寧に教えて頂きありがとうございました。
また、これからもよろしくお願いいたします。
投稿: たけ | 2008年6月 1日 (日) 20時43分