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Fedora Core 6 (FC6) をPS3にインストール

PS3にインストールできるLinux (当然PPC版ですが)は、Yellow Dog Linux (YDL) とFedora Core (FC) があります。

元々My PS3にはYDL5.0がインストールしてあったのですが、次の点が不満で、FC6をインストールしてみました。

  1. IBMが配布しているCell SDK 2.1は、FC6を前提に構築されており、libspe2, spu-gccなどYDL5.1にインストールしようとすると、rpmパッケージの依存性チェックでエラーとなりインストールできない。どうも、FC6で使用しているglibc2.5が必用な模様(YDL5.1はglibc2.4を使用)
  2. YDLはFCに比べてyumで追加インストールできるパッケージの種類が少ない

インストールの方法は、フィックスターズさんのPS3 Linuxのインストールサイトを参考にしました(このサイトは色々な情報があって重宝します)。結果は以下のように惨敗となり、結局はYDL5.0に戻すことになりました。YDL5.0のインストールは次回のネタとしまして、今日はFC6インストールの顛末を書きます。

(2007/5/5更新) PS3 Linuxのインストールには、Sony PS3 Linuxのftpサイトで公開されているアドオンCDが必要です。私がFC6インストールに使用したのは20061208バージョンでした。最新版をチェックしたところ、20070425バージョンが公開されておりました。Readme.txtを見ると、20070425バージョンはFC6に対応していると記載があります。もう少し早く20070425バージョンに気がついていればFC6がインストールができたことになります。残念!!

YDL5.0に比べるとインストーラーが貧弱です
カーネルがブートできる最小限の構成で開発環境・X Windowsなど一切インストールされないminimun installか、インストール後のディスク占有量が9GB超にもなるfull installのどちらかしか選べません(10GBのHDD区画を確保しても空き容量が0になってしまいます)。
先ずは、full installしてから不要なパッケージを削る方針で作業をはじめましたが、full installに3時間ちょっとかかりました。削除はyum groupremoveコマンドに以下のgroup名を指定してやるとgroup単位で削除ができてらくちんです。
   Office/Productivity
  Authoring and Publishing
   Games and Entertainment

FC6に限った話ではなく、PS3 Linixのインストールの速度はは遅いです
My PC (Pentium4 3.0GHz, 1GB memory) では、FC6の標準的なインストール(HDD占有量4GBくらい)は30分強で終了します。想像ですが、PS3はメモリーが256MBしかないため処理が遅くなってしまうと思われます。
ちなみに、yum groupremoveで不要パッケージを削除するのも1時間以上かかりました。

ETH0がupしないぞ
インストールが終了してすぐ気がつくのが、イーサネットインタフェース (ETH0) がupしないことです。ifup eth0を実行してもデバイスが存在しない旨のエラーが返ってきます。ifconfigを実行すると確かにloしか見えません。dhclientを実行するとIPアドレスは取得できちゃいます。後で気がついたのですが、ネットワークドライバが正しく認識されていないのが原因だと思われます。PS3のネットワークドライバは、"Gelic Network Driver"と呼ばれるモジュールですが、/etc/modprobe.confに以下の行を加えることでインタフェースを認識してくれる筈です(環境を壊してしまったので確認できないのですが)。
   alias eth0 Gelic Network Driver

X Windowsが正しく起動しない
system-config-displayがスクリプトエラーを吐いて動かないのでいやな予感がしつつ、startxでX Windowsを起動すると画面がぐちゃぐちゃです。ディスプレー・ドライバーがまともに動いていない感じです。xorg.confを眺めてみると、
  Driver      "fbdev"
となっており、ドライバーの指定は問題なさそう。Section "Module"にOpenGL関係と思われる以下の設定があるのでコメントアウトして再度起動。
   #Load   "dri"
   #Load   "glx"
やはり状況は変わりません。xserverの起動ログを見ると致命的なエラーは吐いていません。xorg.confを確認するとコメントアウトした行が元に戻っているではありませんか! これはちょっとお手上げです、、、

かくなるうえはカーネルの再構築か
FC6はkernel-2.6.20をベースに構築されています。また、FC6と一緒に配布されているppc用のkernelはPS3用の固有ハードサポートを有効にした形でビルドされておらずPS3用に使用することはできません。
PS3用のkernelはPS3固有ハードのサポートが組み込まれた、Sony PS3 Linuxのftpサイトで配布されているアドオンCDのkernal imageをインストールします(インストーラーがアドオンCDを要求して自動的にインストールを実行)。アドオンCDのkernelは2.6.16 (FC5時代のkernel) となっています。また、YDL5.0はFC5をベースに構築されています。このため、FC5やYDL5.0はPS3用kernelと相性がよいのですが、FC6とPS3用のkernel (FC5時代の版) は相性が悪いようです 。
PS3用のkernelコードは公開されているので、かくなるうえはkernel-2.6.20のソースからPS3用kernel-2.6.20をビルドするかとも考えたのですが今回は力尽きました。何せ連休中にプログラム開発環境まで作るのが目標ですから。

ということで、一日がかりで取り組んだFC6インストールは結局廃棄してYDLに戻ることになりました。YDL5.0のインストール記録は明日にでもアップします。

(2007/5/5追記) 冒頭にも記載しましたが、アドオンCD 20070425バージョンが公開されています。最新アドオンCDを使用すればX Windowsの問題も解消するはずです(アドオンCDのChanges-j.txtにもFC6をインストールした際に X Window が使えない不具合を修正したと記載があります)。FC6で再度環境を構築したいところですが、インストール4時間コースを再度行うのも億劫なのでまたの機会にトライします。

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